アウロラ・オプティマ・クラシックという万年筆
私が今使っている万年筆のうちで、最もお気に入りの一本である。
イタリアのアウロラという筆記具メーカーの看板とも言える一本である。アウロラは、1920年代に万年筆メーカーとして名を馳せたイタリアの老舗である。
私の持っているこれは、30年代からあるオプティマシリーズの流れをくむデザインのモデルであり、だからだろう、名前にクラシックとついている。
写真が拙くて申しわけないが、軸の素材はセルロイドに似たアウロロイド樹脂というものが使われている。色や模様に深みがあって美しいだけでなく、材質が軽いために、軽快に使える感じがするところもよい。
インクは吸入式。先端をインク瓶に入れて、尻の先端を回すことで胴軸に内蔵されたピストンが上下して、インクを吸入・保持するタイプである。
インクは買った当初より、アウロラ純正の青インクを使っている。私はこれ以上美しいロイヤル・ブルーを知らない。インクの話はまたの機会に譲るけれど。
ペン先の太さはF(細字)。海外製の万年筆は、概して国産より描線が太い傾向にあるが、アウロラはそれなりに細い字が書ける。
長年使っているので、ペン先はすでに私の筆記のくせに合ってしまっていて、ため息が出るほど書き味がいい。インクフローもペンクリニック(そういう催しがあるのだ)で多めに調整してもらったので、いい紙のノートだといつまでも書いていられる気がする。
私はこれを、東京出張の折に御徒町のガード下で買った。ダイヤ商会という、マニアには知られた店だったと思う。にぎやかな女将と万年筆の話で盛り上がったことを懐かしく思い出す。